2.1.1 留学エージェントはなぜ無料でサービスを提供できるのか?
MBAに限らず大学入学の場合に、留学エージェントを活用すべきなのは既に述べた通り。ただ問題なのは、エージェントにも色々な種類があったり、数が多過ぎたりで、正直どのエージェントが自分にマッチしているか分からないことだ。私も当時色々探したが、エージェントの選び方を教えてくれたり、エージェントを中立に比較・評価してくれるサイトを見つけられなかった(あっても、リスト化されている程度)。結局、多くの受験生が、Webサイトの見栄えや、日本で開催されるイベントでの担当者の印象、日本の事務所が立派かどうかなどで決めざるを得ない状況にあると思う。そこで本ブログでは、そんなエージェントに実態に迫りつつ、エージェント選別の仕方を大胆に提案する。まずは、エージェントの基本的な仕組み等について解説する。
(1-1) エージェントの種類は?
エージェントと一言で言っても、その種類や目的は様々だ。まずは、業務内容から、大きく4つに分類できる。1.ビザ取得支援または代行、2.語学学校への斡旋、3.大学・大学院・専門学校(TAFE)等(ここでは単に学校と呼ぶことにする)への斡旋、4.インターンシップ(無給と有給のものとがある)やアルバイトの紹介業務の4つである。中には、これらの4業務のうち1つだけ扱っているエージェントもあれば、大手エージェントのようにこれら全部を扱っているところもある。少なくても大学・大学院を受験する場合には、語学学校への斡旋、大学への斡旋の業務を扱っているエージェントを選ぶべきである。
(1-2) エージェントに必要な資格とは?
1つ目のビザ取得の「代行」業務に関しては、業務を行う担当者は、「ビザコンサルタント」の資格を(個人で)取得している必要がある。ただし、2つ目から4つ目の業務では、特に特定の資格が必要ということはなく、経験や知識があれば業務はできる。次に、今述べた通り業務には必ずしも必須ではないが、カウンセラーとしての総合的な能力を証明するものとして「留学カウンセラーPIER認定資格」がある。個人単位で取得するものだが、これを取得しているカウンセラーがいる、または多い場合には、そのエージェントのサービス品質や品質が高いと判断できる有力材料となる。
> カウンセラーがPIERの資格を取得しているかどうかは知るには、下記のサイトに行き、「Search」に英語で名前の一部(苗字か名前)を入力すればOK。
http://www.eatc.com/qualified_agents/
(1-3) 行きたい学校との契約があるか?
大学を目指す人にとっては最も重要なのが、そのエージェントがあなたの行きたい、あるいは行くかもしれない学校側と契約があるかどうかである。契約が交わされていない学校にはお客さんを斡旋できないため、既に行きたい学校が明確な場合、エージェントがその学校と契約していることは最低条件になる。なお、余談であるがエージェントは、この契約を獲得するのにそれなりに時間も要するため多数の契約校があるエージェントはそれなりに実績があったり、学校から認められていると考えて良いと思う。
(1-4) エージェントの収益構造から選ぶエージェント
収益構造(つまり、どうやって儲けているか)の情報なんて、エージェントを選ぶのに本当に必要なのか?と思われるかもしれない。しかし、実はこれを知っていることが、エージェント選びでとても重要である。さて、実はエージェントのいくつかのサービスは「無料」で、いくつかは「有料」で提供されている。
ビザ代行の場合から説明する。エージェントは、あなたの代わり、英語で書かれた(若干ややこしい)ビザ取得手続きを手続きし、あなたは手数料を支払う(つまり通常は「有料」)必要があるので、分かりやすい。ただし、代行まではせず、サポートのみ受ける場合(実際の手続きは本人が行う場合)、無料の場合もある。ちなみに、MBA取得を目指す人であれば、(無料サポートを受けてもいいが)手続きは自身で行うことをお勧めする。この取得手続き自体も勉強の一環と考えて良い。ちなみに、手続き自体は無料でも、当然ビザ取得費用はオーストラリア政府に収める必要があるので要注意。
次に語学学校や大学への斡旋・紹介サービスは、通常「無料」で提供されている。なぜか?エージェントは、あなたを斡旋すると、あなたが行くことになった学校の授業料等の一定割合%を学校側から受け取れるからである。なお、この割合はエージェントと学校との間(契約内容)で決まっている。いわゆるこのコミッション料は数十%程度に設定されている。MBAを目指す人であれば、どうしても収益構造が気になってしまうだろうから、あえてここに記載した。
インターンシップやアルバイトの紹介も、ビザと全く同様、紹介手数料(契約料や手数料)が取られるの一般的で、「有料」で提供される。料金は仕事内容等によってまちまちである。