「99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」
好き度:中 入手法:借りた(図書館)
信じているものは本当か?
久しぶりに本を読むことが出来たからちょっぴり嬉しです!
ただ、今回はこのブログで初となる大学の「図書館で借りた本」です。
今までは買うか、人から借りるものばかりだったけど、たまに図書館に行くのもいいですね。
ってどうでもいい話をしてしまいました。さて早速この本について。
この本は、今ある「これはこういうことだ」と考えたり信じたりしていることはすべて、
完全に確かなことはない!!ってことを教えてくれる本になっている。(科学を中心にね!)
んーこれだけだと分かりづらいから、具体的に考えてみよう。
本には全く書かれていないけど、身近な「重力」って例で考えると分かりやす気がする。
私たちは普通、見たこともない「重力」という存在を信じている。というか疑っていない。
でも仮に、自分が宇宙のような無重力の世界で一生を過ごす生物であるとして、
重力という存在を仮に誰かに教えられたとしても、それを容易く信じることができるだろうか?
地球にいれば、目には見えないものの、モノを落としたりする体感から何となしに
その存在を受け入れることができるかもしれない。
でもそれを一生体験できない世界にいたら、それを本当に信じられるだろうか?
僕は信じることができないかもしれないと思う。いや、おそらく無理だろう。
体験したことがないものなら「幽霊」とかでもいいのかも。
例えば、超能力で霊を感じる…というような話をTVや映画でよく耳にする。
僕は全く信じていないが、先の話を考えると全く0%あり得ないとは言い切れないことに気づく。
重力だって目で見えない。単に僕には「霊を感じとれる器官が備わっていないだけ」
なのかもしれない。つまり、自分が体験できないからといって
100%否定することはできないってことだ。
さらに突き詰めていくと、「神の存在」とかそういった哲学的な存在も同じだ。
ちょっと話が発散したけど、結局、自分が考えもしなかったことを信じたり、発想することが
如何に難しいのかを教えてくれる。だから新しい発想に出会うには常に頭を柔らかくしておく
必要があるみたいだ。自分の当たり前なことは、全然当たり前じゃないことを知ること、
これが大切だってことを考えさせられたかな。
科学の定義
さて、私たちは特に「科学」を信じきっているところがある。
確かに僕も教科書に出ている理論や数式を疑ったことなど一度もないに等しい。
では、特に疑われることが少ないこうした「科学」ってどう定義できるのだろう?
実は、科学を定義したのは「カール・ポーパー」という人らしく、彼曰く
「科学は、常に反証できるものである」と言っている。ここで反証とは、
ある理論がうまくいかないような事例(実験や観測)が起きること。
だから、例えばモノの運動が、ニュートンの運動方程式に従わない挙動をしているのを誰か一人でも
観測したら、もうニュートン力学は終り…ということになるってこと。
そしてもっと言えば、将来の実験や観測によって、その理論はいつか反証される可能性が
常に残っている。少なくても、それを誰も否定はできないから。
つまり、反証ができるものが科学であるということは、
科学は、「理論に反する実験や観察ができたらその理論はダメだと潔く認めるもの」らしい。
言ってみれば、自ら完璧じゃないと言っているものが科学なんだ。
だから科学は、当然当たり前じゃなくて、常に仮説に過ぎないってことになる。
なんて厄介な定義なんだ。なんという負けるが勝ち的な発想?なのかもしれない。
でもとりあえず確かなことは1つ。「私の霊の話を信じなさい」と言っている人は、
少なくても科学者ではないってことだ。
最後は相対性理論
この本で面白いのは、こうした科学的なお話がメインなんだけど、最後は、私たちの身近な話に
つなげているところだ。例えば、「相対性理論」というのは、同じ現象を観察しても、
「観測者によって見え方が違う」というものだ(たぶん)。
確かに私たちは、神のような「絶対的な」場所から、何かをモノを観察したり人と接することはできない。
常に、自分という観測者を通して、「相対的に」しか相手を知ることができない。
だから、どんなに深く理解している相手が、自分と全く同じ出来事を経験した時であっても
相手が感じていることを90%は理解できても、100%理解することはできないのだ。
そして、こうした限界を知っておくこと、すなわち理論は仮説であり100%の真実ではないことを
知っておくことが、世の中をうまく生きていくために大切であるって、確かそんな話で終わっていたと思う。
なるほど~、少なくても僕は相対性理論をこんな風に考えたことはなかったな~。
こんな新鮮な発想こそ信じてみたい。(おっと、80%くらいにしておいた方がいいね)