「意思決定力」
好き度:中 入手法:買った
本気で意思決定を行う局面に何度出くわしたか
この本には、まず「なぜ今、意思決定力が必要なのか?」ということから書かれている。
そもそも意思決定とは、単純に言えば「何かの判断を行うこと」。だから例えば、
今日の夕飯を何にしようか?という日々の判断も意思決定だし、いつ結婚するのか、
いつマイホームを買うのかといった大きな判断まで含めた広い意味でつかわれる言葉ってことになる。
さてここで問題なのは、例えば自分の人生で振り返ってみて、本気で意思決定をしたことが
何度あっただろうか?ということだ。100%自分で責任をとって決断する…んーなかなか見つからない。
例えば僕は今まで、小学校、高校、大学、大学院と歩んできたわけだが、そもそも
「高校、大学、大学院」という「流れ」を選んだのも、そもそも自分自身で決断したことというより、
両親の意見や学校の先生、あるいは世の中の「流れ」に従った感じがしている。
さらに、「1人暮らし」の経験がない僕としては、実は「食事」でさえ準備された環境にあるから、
「何を食べようか」という、日常的な意思決定さえほとんど他人任せにしていることに気がつく。
その点、アメリカ人とかだと、子供のころから意思決定力が鍛えられる環境がはぐくまれているらしい。
自分の意思を「はっきり」伝えないと生きていけない。いい意味でも悪い意味でも、そんな環境が
意思決定力を自然と鍛える文化があるようだ。そうか、となると僕は、
本書でいう「意思決定力を鍛える練習を、相当さぼってきた」代表選手…ということになりそうだ。
さて、皆さんはどうだろうか?そして、そんな意思決定力に対して「危機感」を持つところから、
この話はスタートする。
「情報」を選択するところから、意思決定を考える
この本には、意思決定力を高めるために、「目的観を明確にする」、「情報のインプット」、
「選択肢の抽出」、「シミュレーション」、「意思決定」、「リカバリー」といった意思決定各段階において大切なことが分かりやすく書かれている。そして、その中でも特に僕が納得できたことは、
意思決定をうまくやるには、その「前段階」をいかに鍛えるのかが重要であるということだろう。
まず、一般的に、すぐれた判断(意思決定)をするには、質の良い情報を多く集めるべきだ
と考えるだろう。その一方で、情報を集めれば集めるほど、意思決定が困難になるという経験は
ないだろうか?そうだなー、僕はたいてい、服やズボンは郊外の「大型ショッピングセンター」で
買うんだけど、そういった場所では、あまりにもお店が多くて、すべてのお店を回っていたら「へとへと」
になっちゃったという経験は皆さんにもないだろうか。だから僕は最近、ショッピングセンターに入る前に、
頭の中で「中に入ってからの動き」をあらかじめシミュレーションして、見るべきお店も
絞っておくようにしている。(シミュレーションってちょっと大げさだけど…)
ショッピングセンターにいざ入ってからでは、「50%Off」や「Sale」という看板に魅せられて
見当違いのお店に入ってしまい、うろうろしているうちに疲れてきて、本来欲しかったものを
買うことができなかった、なんてパターンに陥ってしまうからだ。
でもよく考えるとこの状態って、最近のインターネットやTVなどで「情報があふれた社会」と
似たような感覚を覚えるのは気のせいだろうか。つまり、「大型店」ゆえに「お店(情報)」は
たくさん集まっていても、その中から適切なお店を選ぶ力は、昔のようにお店が少なかった時代より、
むしろ必要になっている。本の言葉を借りと「情報収集において、どこに時間をかけるのかといえば、
『どんな情報が必要か』」ということ。ショッピングセンターに入る前の準備の段階で、
買いもの良し悪しは既に決まっているのかもしれないって。そんな感想を読んでいて思っていた。
リスクをとれる人
優秀な企業の経営者とかってとても憧れるよね。僕が憧れる経営者のイメージは、そうだなー
「何億とかいう仕事や契約を瞬時に決断し、実行に移す」そんな感じのイメージかな。でも、
前の話を考えると、大きな意思決定になればなるほど、その前準備がしっかりしている必要がある。
そう考えると、リスクのある意思決定を出来るのは、単にギャンブル好きとかではなく、
「意思決定力」が高い人ということになる。今のような先が読めない時代に、リスクをとってチャレンジ
するには、日々の訓練で「意思決定力」が常に鍛えている必要がありそうだ。
Off the beaten track
まだまだ書きたいことは山ほどあるんだけど、あんまり長くなるとね。
で、この英語はこの本の最後に出てくる言葉。「踏み固められた道を外れろ」っていう意味らしい。
土(道)は、歩けば歩くほど踏み固められて強くなる。でも、そんな舗装されて歩きやすい道の先に
あるゴールは、すでに誰かが到達したありふれた場所かもしれない。
仮にどんなにきつい道のりでも、「自分の道を自分で決めながら(意思決定しながら)歩む」ことが
できれば、「最高の人生」だと感じれるのかもしれない、きっとそんな意味があるんだろうね。
ただあまりにOffし過ぎちゃうと「崖」ってこともありそうだから、そこはほどほどに気を付けよーっと。
ち・な・み・に、今回の本の写真は、何と新幹線の中で撮ったもの。何より、撮ってる姿をほかの
お客さんに見られるのが恥ずかしかったけど、そこは勇気を持って意思決定しました、なんちゃって。